葡萄家社員の「心」
第1部
すばらしい人生を送るために・・・「人として」
第1章「心を高める」
『常に謙虚であらねばならない』
人は権力を手にしたことで、自己中心的な価値観を持ったり、自己主張を強くすることがあります。しかしこれでは彼我の対立、激突が生じチームワークを必要とする仕事は成り立ちません。
自分の能力やわずかな成功を鼻にかけた行動・言動があると周囲の人たちの協力を得られないばかりか、自分自身の成長の妨げにもなるのです。
チームのベクトルを合わせ、より良い雰囲気を保ちながら最も高い能率で職場を運営するためには、「みんながいるから自分が存在できる」とういう認識のもと、常に謙虚な姿勢を持ち続けることが大切です。
『感謝の気持ちをもつ』
職場に人の和がないとお客さまに喜ばせる商品・サービスの提供はできません。なぜなら「お客さまの為に」とるべき行動には、職場の人の心が反映されているからです。ところが「俺が」「私が」を主語とした利己的な考えでは、社内に和が作れず、結果としてお客様に心が伝わる商品やサービスを提供できません。
私たちが今日ある事、そして存分に働けることは、お客さまや取引先はもちろん、職場の仲間、家族といった周囲の多くの人々の支援があるからです。決して自分たちだけでここまで来られたわけではありません。このことを忘れず、常に周囲への感謝の気持ちをもち、お互いに信じあえる仲間となって仕事を進めていくことが大切です。
『常に明るく』
人生はすばらしく、希望に満ちています。どんな逆境にあっても、どんなに辛くても、常に明るい気持ちで理想を掲げ、希望を持ち続けながら一生懸命努力を重ね、常に「私には素晴らしい人生が開かれている」と思い続けることが大切です。
決して不平不満を言ったり、暗くうっとうしい気持ちをもったり。まして人を恨んだり、憎んだり、妬んだりしてはいけません。
自分の未来に希望を抱いて明るく積極的に行動していくことが仕事も人生もより良くする為の第一条件なのです。
『善因善果』
善因善果とは「よい行いをしていれば、いずれ良い結果に報いられるということ」です。ここでは人から何かを頼まれた場合の行動や考えについて考えてみましょう。
何かを頼まれた時は、気持ちよくさわやかに「はい!」と返事をしましょう。頼まれるという事は、相手があなたを信頼しているから頼むわけです。頼んだ人は、すぐにさわやかな返事が返ってくると、好印象をもち、更に信用が高まります。逆に、面倒そうな表情や忙しいから等の理由で、嫌な顔をしてしまうと、頼んだ人は良い印象を持ちません。
お店なら、「印象の悪い社員」とされ、お客さまは激減してしまいます。頼まれごとは「試されごと」です。何かを頼まれたら自分が試されていると思いましょう。そして、よく考え、アイデアを出して任された仕事に誠意をもって取り組んで行くことが大切です。
『素直な心をもつ』
素直な心とは自分自身のいたらなさを認め、そこから努力するという謙虚な姿勢のことです。伸びる人は人の意見をよく聞き、常に反省し、自分自身を見つめる事の出来る人です。そうした素直な心でいると、その人の周辺ではやはり同じような心根を持った人が集まってきて、ものごとがうまく運んでいくものです。
自分にとって耳の痛い言葉こそ、本当は自分を伸ばしてくれるものであると受け止める謙虚な姿勢が大切です。
『報恩感謝』
報恩感謝とは、今の自分があるのはたくさんの人のおかげであり、その恩に報いるような生き方をしたいと思う気持ちをいいます。
大人はよく子供たちに「他人に迷惑をかけるな」と言います。しかし生きていくのにだれかのお世話にならない日はありません。迷惑をかけずに生きていける等と思うこと自体、思い上がりなのかもしれません。
昔の人たちは、「おかげさまで」とよく言ったものです。こうした言葉の奥底には、今日こうして幸せに暮らせるのは、他社に対する感謝の心が込められています。どんな相手に対しても、自分が先に感謝の態度を示せば、必ず相手の感謝の心を引き出すことが出来ます。常に「おかげさまで」という感謝の心を忘れず、他社の善意や、愛、苦労、努力などをわかることのできる人間でありたいものです。
第2章「より良い仕事をする」
『信頼関係を築く』
仕事を進めるには、期限を守る。マニュアルを順守する。などなど約束の連続です。日頃から小さな約束をこつこつと守り抜くことで、揺るぎない信頼関係が築かれていきます。小さくても信頼の積み重ねが、さらなる発展に繋がります。
『率先垂範する』
仕事をする上で、部下や周りの人々の協力を得るためには、率先垂範でなければなりません。人の嫌がるような仕事も真っ先に取り組む模範となることが必要です。
どんなに多くの、どんなに美しい言葉を並べたとしても、行動が伴わなければ人の心を捉えることはできません。自分が他の人にしてほしいと思うことを自ら先頭に立って行動で示すことによって、周りの人々もついてくるのです。
率先垂範するには、勇気と信念が必要ですが、これを常に心がけ実行することで自らを高めていくこともできます。上に立つ人はもちろんのこと、すべての人が率先垂範する風土を作り上げなければなりません。
『本音でぶつかる』
責任のある仕事をやり遂げていくためには、仕事に関係している人々が、お互いに気付いた欠点や問題点を遠慮なく指摘しあうことが必要です。絶えず、「何が正しいか」に基づいて本音で真剣に議論していかねばありません。欠点や問題点に気付いていながら、嫌われているのを恐れ、それらを指摘せずに和を保とうとするのは、大きな間違いです。勇気をもってお互いの考えをぶつけ合っていく。こうした中から本当の信頼関係が生まれ、より良い仕事ができるようになるのです。
『常に創造する』
与えられた仕事を明るさと素直さをもってやり遂げることは大切です。しかし、生涯の仕事としてただ辛抱すればいいというわけでもありません。一生懸命に努力しながら常にこれでいいかと考えるのです。決して昨日と同じことを漫然と繰り返してはいけません。
小さなことでも、毎日これでいいのかと自問し、改善・改良を続けることが大事です。これを長年繰り返すと素晴らしい進歩を遂げるはずです。常に新たな想像をしていくような人生でなければ人としての進歩もなく、魅力ある人間にもなれないのです。
『徹底力をつける』
決めたことをどこまで徹底させることが出来るか。言うなれば徹底力のない限り目的は達成されないのです。
徹底力とは、会社の示す最大の指標でもあります。決まったことが、どれだけ素早く末端まで浸透し、勢いよくスピード感を持って走り出せる組織であるかどうか。
徹底力のある人、徹底力のある会社というのは、やはり結果に差がでてきます。
徹底力のあるというのは、やるか、やらないか、それだけです。新商品のセールストークを例にとると徹底力のない会社・人は、最初はやりますが、断り続けた結果、セールストークをするのをやめてしまします。ここで大切なことは次に繋がるような工夫をすることです。成功へのコツは、こだわりを持って、コツコツ行うことです。
『知恵を出す』
真剣にやると、知恵が出る。中途半端にやると、愚痴が出る。いい加減にやると、言い訳しか出てこない。仕事でも「愚痴」や「言い訳」ばかりの人は、中途半端でいい加減になってしまします。やるなら徹底力にやる、真剣に取り組むことで見えてくる本物を目指していくべきです。
私たちの仕事はお客さまが何を求め、何を望んでいるのかをすばやくキャッチし、何をすべきかを常に考え行動せねばなりません。この意識と行動改革なくして、厳しい競争には、生き残れないことを肝に銘じてください。お客さまの満足のため、失敗を恐れず、何事にも真剣に取り組みましょう。そこから初めて知恵が出てくるのです。
『細心大胆』
大胆さと細心さは、相矛盾するものですが、この両極端をあわせもつことによって、始めて完全な仕事が成し遂げられます。
ただ大胆なだけでは、パーフェクトな仕事はできません。繊細なだけでは、新しいことにチャレンジする勇気は生まれません。仕事をする時、豪快さと繊細さという、二律背反するような性格を備え、局面によって使い分けられる人が必要です。繊細でシャープな神経の持ち主が、場数を踏むことで、真の勇気を身につけていった時にはじめて、本物になるのです。
しかし、最初からそういう人が多くいるわけではありません。繊細な神経の持ち主は、積極的に機会と場を求め、勇気と大胆さを身につけていくことが必要です。
第3章「新しい事を成し遂げる」
『チャレンジ精神をもつ』
人はえてして変化を好まず、現状を守ろうとしがちです。しかし、新しい事や困難な事にチャレンジせず、現状に甘んじる事は退歩の始まりを意味します。チャレンジというのは高い目標を設定し、現状を否定しながら常に新しいものを創り出していく事です。どんなに困難な事でも勇気をもってチャレンジすべきです。やらなくて後悔するより、やって後悔する方が自分にとって財産となります。
チャレンジという言葉は勇ましく非常に快い響きを持つ言葉ですが、大変なリスクを伴います。困難に立ち向かう勇気とどんな苦労もいとわない忍耐と努力がなければチャレンジする資格はありません。現在の葡萄家があるのはそうしたチャレンジの連続があると考えます。
『信念を貫く』
「こうしたい」と思っても、社会情勢、経済情勢などから考えてみれば、実現困難であるとすぐ諦めてしまう人がいます。状況を理解すればするほど、不可能であるという結論に自分を導いてしまうのです。一方、心の奥底からこうありたいという強い願望をもった人は、周囲の環境がいかに厳しくとも、願望を実現するための方法を考えていきます。そこに努力と創意が生まれてくるのです。つまり、「状況は我に利あらず」と理解した時に、次の瞬間から改めて勇気を奮い起こす人です。信念を貫くには大変な勇気が必要ですが、これがなければ革新的で創造的な仕事はできません。
『自らの道は自ら切り開く』
私たちの将来は誰が保証してくれるものでもありません。たとえいま、会社の業績がすばらしいものであったとしても、現在の姿は過去の努力の結果であって、将来がどうなるかは誰にも予測できないのです。
将来にわたってすばらしい会社にしていくためには、私たち一人一人が、それぞれの持ち場、立場で自分たちの果たすべき役割を精一杯やり遂げることしかありません。
誰かがやってくれるだろうとういう考えで人に頼ったり、人にしてもらうことを期待するのではなく、まず自分自身の果たすべき役割を認識し、自らの努力をやり遂げるという意識を持たなければなりません。
『成功するまで諦めない』
成功するかしないかは、その人の持っている熱意と執念に強く関わってきます。何かをやっても成功しない人には熱意と執念がかけているのです。体裁のいい理由をつけ、自分を慰め、すぐ諦めてしまうのです。
成功するには、目標達成に向かって粘りに粘り、最後まで諦めずにやり抜くことが重要です。
第4章「人生を考える」
『夢を描く』
現実は厳しく、今日一日を生きることさえ大変かもしれません。しかし、その中でも未来に向かって夢を描けるかどうかで人生は決まってきます。自分の人生や仕事に対して、自分はこうなりたいという大きな夢や高い目標をもつことが大切です。高くすばらしい夢を描き、その夢を一生かかって追い続けるのです。それは、生きがいとなり、人生もまた楽しいものになっていくはずです。
『真剣勝負で生きる』
人生という長丁場の舞台で、生きている毎日は、瞬間瞬間が真剣勝負です。自ら望んで、人生を賭けた大勝負をしていると考えれば、仕事は、楽しくて仕方ないものとなります。
逆にやらされているという思いでいれば、毎日が苦しく退屈で、他に楽しみを求めることでしょう。その楽しみが自分の人生にプラスになる遊びならいいのでしょうが、遊びと仕事を両立させるといっても、二股かけて立派な働きができるほど人生や仕事は甘いものでもありません。自分で仕事をする楽しみを見出していかなければ、遊びおぼれて人生の本来の目的を見失ってしまう、ということを忘れてはなりません。
第2部
経営者意識を高める(一人一人が経営者)
第1章「お客様第一」
『お客様第一』
お客さまは当然ながら、仕事内の関係であっても、相手に喜んでいただくという事が商いの基本です。私たちが一生懸命働くのも、Q(クオリティ)、S(サービス)、C(クリンリネス)の向上を図り、お客さまのニーズに応えたいと思うからです。全ては、お客さまに喜んでいただくという一点から出ているのです。素晴らしいビジネスができる人とは、相手が儲かるようにしてあげる人です。これがビジネスチャンスをもたらし、ひいては自分の利益も生むのです。
『社員が輝く』
自分の仕事に誇りをもち、指示されることなく主体性を持って働き、良いと思ったことはどんどん行動に移します。
また、自分自身の目標を自覚し、そこに向かって前向きに切磋琢磨しています。
さらに、その社員の成長を、他の社員がしっかりと支援していきます。働く事の最高の報酬は人間的成長だと言われます。その人間的成長をしっかり支援する組織力こそがイキイキ輝く社員を生み出します。
そしてイキイキ輝く社員がいるからこそ、お客さまに対して高い満足を提供することができるのです。
第2章「日々の仕事を進めるにあたって」
『全員参加で経営する』
誰もが自分の意見を言い、経営を考え、それに参画することが大事です。一握りの人だけで経営が行われるのでなく、全員が参加することに意味があります。一人一人の経営参加を通じて自己実現が図られ、全員の力が一つにの方向にそろったときに集団(チーム)としての目標達成へとつながっていきます。
全員参加への精神は、日々の業務の中での開かれた人間関係や仲間意識としてつちかわれ、受け継がれていくものです。
『売上最大・経費最小・時間最短』
経営とは非常にシンプルなもので、その基本はいかにして売り上げを大きくし、いかにして使う経費を小さくするかということに尽きます。利益とはその差であって、結果として出てくるものです。したがって私たちはいつも売上をより大きくすること、経費を小さくする努力を重ね、創意工夫し、粘り強く続けていかねばなりません。
また、「コスト」というと、イコール「経費」というふうに捉えがちですが、「時間」もコストであるという認識をしっかりと持ち、無駄な時間を過ごすことのないようにして、生産性の向上に努めることが重要です。
『現場主義に徹する』
営業の原点はお客さまとの接点にあります。何か問題が生じたとき、まず何よりも現場に立ち戻ることが必要です。現場を離れて机上でいくら理論や理屈をこねまわしてみても、決して問題解決にはなりません。よく、「現場は宝の山」と言われますが、現場には問題を解くためのカギとなる生の情報が隠されています。
絶えず現場に足を運ぶことによって、問題解決の糸口はもとより、生産性や品質の向上などにつながる、思わぬヒントを見つけ出すことが出来るのです。
『物事をシンプルにとらえる』
私たちはともすると物事を複雑に考えてしまう傾向があります。しかし、物事の本質をとらえるためには、実は複雑な現象をシンプルにとらえ直す必要があります。
事象は単純にすればするほど本来の姿、すなわち真理に近づいてきます。例えば一見複雑に見える経営というものも突きつめてみれば売上を最大に、経費を最小にという単純な原則に尽きるのです。いかにして複雑なものをシンプルにとらえ直すかという考え方や発想が大切なのです。
『ベクトルをそろえる』
人間にはそれぞれ、考え方や好みによってさまざまな発想があっていいと思います。しかし、会社の場合は話が違います。社員一人一人がバラバラな考えに従って行動し始めたらどうなるでしょうか。
それぞれの人の力の方向(ベクトル)がそろわなければ力は分散してしまい、会社全体としての力になりません。ベクトルをそろえるという事は考え方を共有していくということです。目的をもった集団(会社)であれば価値観を共有して初めて、達成への永続的、集中的な取り組みが可能となるのです。
みんなで参加しよう! ~ 行動理念 ~
◎会社、社長が大切にしている「経営の想い」を共有しよう!
◎私たちが行う全ての仕事がお店の存在価値に反映していることを意識しよう!
◎価値を生み出す為の心(サービス)と技術にこだわります。
◎仕事とは自ら創るもの。その仕事を通じて「活力」、「感動」を提供します。
◎一人ひとりがお店の代表。目標達成に向け、強い信念を持って行動します。
◎自分にできることに目を向け、勇気をもって行動します。この問題自分には何ができるか。自分事として取り組む
◎約束を守りましょう。基本ルール・マナー・時間を大切にできてこそ、信頼が深まります。
◎仲間の努力と仕事の質の高さに気付きましょう。承認しよう。
◎常にお客様の立場から、思案、立案、実行します。どのように見えますか?どのように感じますか?
◎働く私たちも快適な職場で時間を過ごせるように、本音で前向きに、オープンに仲間同士向き合います
◎変化を恐れず、挑戦・成長し続け、自分の価値を高めます!
終わりに
お客様、従業員、関わる人全てが
「葡萄」の房のように繋がり、幸せになる企業を目指します